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SGH上海・蘇州プロジェクト 夏季休業中活動報告

投稿日:2019年09月24日

7月27日(土)~8月1日(木)の日程で上海・蘇州フィールドワークを実施いたしました。

 このフィールドワークは、本学院SGHプロジェクトの一つである「「世界文化遺産」紡績業を軸とした教科横断型授業」に基づくものです。本庄高等学院のある埼玉県本庄市は、かつて養蚕が盛んな地域であり、世界文化遺産へ登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」に匹敵する遺産「競進社模範蚕室」や「旧本庄商業銀行煉瓦倉庫」などがあります。そのようなことから、ここ数年、紡績業で日本とも縁のある上海・蘇州での調査および江蘇省蘇州中学での合同研究発表会を行っています。

[蘇州市内調査]
 蘇州は運河によって発展してきた都市です。近代的な都市の中に世界的にも有名な庭園などがあり、近代と歴史的文化遺産が調和した魅力的な街です。
 7月27日に蘇州に到着し、28日に蘇州市内の紡績業に関する史跡の調査を実施しました。
 まず、かつての紡績工場であった蘇州市第一絲廠を見学しました。蘇州の近代絹織物業に関する展示物の他、蚕の飼育から絹織物の生産までの過程を間近で見たり、絹糸のかたまりを薄く伸ばし広げる体験をしました。
 また、旧日本租界時代の日本人住居を見学しました。日本人住居はレンガ造りの瀟洒な建物で、当時、蘇州に滞在していた日本人の生活の様子をうかがい知ることができました。
 生徒たちは、蘇州中学の生徒宅に二泊し、ホームステイも体験しました。中国の一般的な家庭での生活を体験し、 現地の高校生と一緒に現在の蘇州の街を巡って、新たな中国の一面を発見しました。

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[江蘇省蘇州中学での合同研究発表会]
 7月29日は江蘇省蘇州中学にて合同研究発表会を行いました。合同研究発表会では、本学院と蘇州中学の生徒たちがそれぞれ英語で発表しました。本学院の生徒たちの発表内容は以下のとおりです。 準備した甲斐もあり、すこし緊張しつつも堂々とした発表でした。
・日本資本が中国で経営した紡績工場である「在華紡」の経営体系について
・谷崎潤一郎、横光利一といった上海を訪れ、影響を受けた文学者について
・上海租界で日中交流のサロン的書店を経営していた内山完造について
 一方、蘇州中学の生徒たちは現代日本の文化についての発表を行い、中国の高校生がどのように日本の文化や社会を見ているのかについて知ることができました。発表会後の懇親会は、現在中国で流行っているザリガニや蘇州料理を食べつつ、 楽しい雰囲気の中、中国の高校生たちと意見を交換する貴重な時間となりました。

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[上海市内調査]
 30日の午前中に高速鉄道で蘇州より上海に移動し、7月30日、31日には上海で市内調査を行いました。
 在華紡関係では、上海紡績博物館や顧正紅記念館、5・30惨案記念碑を訪れました。紡績工場で実際に使われていた道具などを見ることによって、在華紡の歴史や5・30事件で犠牲となった顧正紅について改めて考える良い機会となりました。
 また、日本と中国の文学者の交流については、上海魯迅博物館、魯迅故居、内山書店跡などを見学・実地踏査しました。 魯迅が晩年を過ごした魯迅故居は、現在も一般市民が住む共同住宅の一角であり、歴史的な建物が現在も現役の一般住居として使用されていることに驚きました。
 
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 以上のように、今回のフィールドワークでは、蘇州・上海における紡績業の歴史や上海租界での日本と中国の文学者の交流などの調査を通して、近代化における日本と中国との関わりについて学ぶことができました。
 蘇州・上海は連日40度以上となるかなりの蒸し暑さの中での調査となりましたが、生徒たちは事前に日本で調査していた事物や人物に関する地を実際に歩いて巡り、租界を中心に発展した1920年代の蘇州・上海に思いを馳せていました。
 また、中国では現在、大変なスピードでキャッシュレス化が進んでおり、ほとんどのお店で現金を使うことがなくなっています。生徒たちは史跡を見学するだけでなく、現在の中国の人々の生活を実際に自分の目で見て体験することによって、中国の変化の勢いを実感しました。今回のフィールドワークはこれからの日本と中国の関係について、深く考える良いきっかけとなりました。

 今回のフィールドワークでは、袁先生をはじめとする蘇州中学の皆様に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

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