かつて大学の講義を担当したことがありますが、大学生の知識の偏りが気になりました。理系は文系の知識を欠き、文系は理系の知識を欠いています。専門分野以外の知識は不要なのでしょうか? 好き嫌いをはっきりさせることは、効率を追求する受験テクニックでは常道なのかもしれません。本庄高等学院の生徒諸君は、ある一定の成績基準を満たせば早稲田大学に進学することができます。小手先の試験テクニックに固執せず、様々な教科に興味をもち、いろいろな問題に挑戦して下さい。間違えること、失敗することは決して悪いことではなく、自分の弱点や誤った認識に気付くきっかけとなるありがたいことなのです。また、暗記に依る知識の蓄積だけでは単なる物識りにしかなれません。学んだ知識を活かせること、すなわち智慧を身につけることが肝要です。
他分野を理解することは、専門を深める上でむしろ重要です。学院生諸君、ぜひ学問的コスモポリタンを目指して下さい。
地学科 教諭 新井宏嘉