萬夢志(まむし)の呟き

保護者の呟き(大久保山の自然)

投稿日:2013年11月25日

ドミトリーから旧校舎へ向かう道が好きだった。
笹に包まれた独特の雰囲気があった。徐々に塔が見えてきて、大隈翁の銅像が迎えてくれる。
初めて訪れた時の胸の高鳴りは今でも鮮明に覚えている。
旧校舎を知る最後の学院生が今年度卒業する。
30年間この校舎が育んだ精鋭たちは現在世界中で活躍している。その様子を大久保山の頂上から静かに見守っているようだ。
長い歴史の中で新旧両方の校舎を知るのはたった2学年のみであり、その学年に当たれたのは幸運であった。旧校舎については「もったいないお化け」が出そうであるが、有効活用されることを願うばかりである。

共通棟から新校舎に向かう坂道からの景色もすばらしい。
学校説明会、入学決定者の集い、保護者会総会、委員会活動、等々。訪問を重ねるたびに見え方が変わってきた。それは季節の移り変わりによる景色の変化だけではないかもしれない。
受験前の憧れ、入学後の感激、時を経て見えてくるものと、そこから出てくる思い。
これら感情の変化も景色の見え方にも変化を与えているのかもしれない。

本学院の最大の特徴と言われる大久保山の自然を生かした教育。カントリーにしかできない大久保山学として、もっともっと生かし方はあるように思われる。
例えば、保護者の会で保護者向けに企画運営している大久保山散策ツアー。森林インストラクターの内野先生のレクチャーを受けながら山を歩くこの企画では、自然を題材に様々なことを教えて頂き、参加するたびに新たな発見と感動がある。
生活の必要性から生まれた人工物としての里山のお話や、植物は菌糸によって全て繋がっており「山全体が一つの生き物」であるというお話は、山そのものの見え方をも変えてしまう素晴らしいものでした。
あわせて大久保山に点在する古墳とそこから出土した土器、エジプト研究で名高い吉村先生が持ち帰られた遺物、パプアニューギニアの収集物等、多くの貴重な物を見たり、触ったりさせて頂ける。
本学院に入学したからには全員に経験させたい企画だなぁ、と参加するたびに思っておりました。

本学院にお世話になり、様々な事を教えて頂いた感謝をこめて、徒然に思うままに残したいと思います。

保護者の会会長 笠越義和

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