萬夢志(まむし)の呟き

附属校に必要なのは進路指導部署では?

投稿日:2013年11月06日

郷里の松江から東京に出て来て、関東では私立校のステイタスが非常に高いのに驚いた。地方では官尊民卑というか、公立と私立とではステイタスに歴然の差が存したし、現在もあることと思う。

さて、東京は神田生まれの友人と酒を酌み交わしていて、大学の附属校は人気だが、附属に入ったら勉強しなくなるのでバカになると、一般には認識されている...という話を聞かされた。

昔から早稲田大学はどこかアバウトな学校であり、どうぞ勝手におやりなさいというのが校風であった。高大連携・高大接続と喧伝されて久しいものの、機会は十分与えるから、適当に自分で考えてねというのが基本スタンス。また、高校生の進路決定は、結局は保護者の意向が強く作用する。

しかし、普通の高校なら、進学にせよ就職にせよ、進路に関する統括的な指導部署が設けられ、生徒の相談に細やかに対応する体制が作られているだろう。本庄高等学院ではそうした進路指導はおもに組主任の仕事とされているが、例えば国語科の教員が、理工学部の状況に明るいとは思われない。

Waseda Vision 150の策定によって、このところの各学部の変革は劇的である。このような急流に処していくために、附属側も十分な研究を行わなければならないし、リアルタイムの詳細な情報提供、そして細やかな相談窓口を作る必要を痛感する。しかしそれは、大学傘下の一介の附属高校に限定される問題ではあるまい。附属・系属校全体に関わる課題であろう。大学本部が傘下の初中等教育全体を本気で大切に思うなら、こうした点にも意を用いるべきだが、どうもそうしたところへは、十分気が回っていないように見える。

果してこの大学が生き残っていけるかどうか、いま極めて厳しい局面を迎えている。そうした状況のもと、人材育成の理念の下で高大連携、高大接続、一貫教育はどうあるべきか、どのような具体的戦略を打ち出すのかを、大学運営に携わるお偉い方々に、真剣にお考えいただきたいと願う。


学院長 兼築信行

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